ヒグマのポトフ、ヒグマのオハウ(アイヌの汁物)、
ヒグマの心臓のネギダレ炒め(ハツネギ)、ヒグマのスジ煮込み、
と続いたヒグマ料理ですが、まだまだ終わりませんよ(笑)。
今回はヒグマのバラ肉の赤ワイン煮込みです。
エゾシカのバラ肉で作ったシヴェ(血を使った濃厚な煮込み)は、
銀座の名店「マノワール・ダスティン」の冬のメニューとして有名ですね。
こちらは以前食べて実に美味しかったので、
また別の機会に記事にしようと思っています。
ちなみに今回のレシピは割と軽めの煮込み(シヴェではなくラグー)。
ドロリとした濃厚なソースにすると脂身が重過ぎるかなと思い、
ちょっと軽めのソースにしてみました。
今回作ってみて思いましたが、白ワインやアプリコットブランデーなど、
もっと優しい味のお酒で煮込んでも美味しかったかもしれませんね。
その方が軽やかな味わいに仕上がったかも。
さて、これがヒグマのバラ肉です。
エゾシカに比べると厚みがあるので、
煮込みにする時は扱いやすいですよ。
ひっくり返すとこんな感じ。
あばら骨はフォン(ダシ汁)を取るために除去済みです。
側面はご覧の通り。真っ白くてサラサラの脂身です。
う~ん、ここまで状態のいいヒグマの肉はそうそうありませんよ。
1枚丸ごとはさすがに煮込めないので、
半分に切って塩胡椒します。
煮込んでいるうちに味は流れ出てしまうので、
ここは塩漬けを作るくらいの勢いで強気に塩胡椒しておきましょう。
もちろん内側にもたっぷり塩胡椒します。
一度作ってみるとわかりますが、いくら塩胡椒しても煮込んでいるうちに
肉からは殆ど塩味が流れ出てしまいます。
塩胡椒を振り終わったらこのように巻き込んでいきます。
この時は脂身が外になるようにしましょう。あばら骨があったほうが内側になります。
煮込んでいる時にばらけてこないよう、たこ糸でしっかり縛ります。
これでもか!というくらい思いっきり縛っちゃってOK。
この写真だけ見るとヒグマのハムみたいですね(笑)。
続いて取り出してきたのは斧(笑)。
こいつで何をするかというと…
バラ肉から取り除いたあばら骨をガシガシ割っていくわけです。
細かく砕いたらサラダ油と一緒にフライパンで炒めていきます。
これくらいではまだまだです。
しっかり火が通るまで炒めてください。
オーブンでカリッとなるまで火を通すのもOK。
そちらの方が火の通りが均一になるのでクリアーなダシが取れます。
いい感じにヒグマのアバラに火が通りました。
続いては…
フォン(ダシ汁)を取る時に一緒に入れる野菜を切っておきます。
本当はパセリやセロリなどもあった方がいいのですが…
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日本が誇るフレンチオヤジシェフ三人衆の一人、
「ル・マンジュ・トゥー」の谷シェフは最近フォンを取るのに野菜を使わないそうです。
その方が素材の味がよくわかるようになって良いのだとか。
なーんてそれっぽいことを言っちゃってますが、
ただ単にセロリもパセリも買ってなかっただけです(笑)。
炒めたヒグマのアバラ骨とニンジン、玉ねぎ、ニンニク、
ローリエと黒胡椒を鍋に入れ、水を張ります。
後はじっくりコトコト煮込んで、ヒグマのダシをとっていきましょう。
待っている間にこの前買った「美田 山廃純米 にごり酒」を(笑)。
この日本酒、にごり酒の良さは保ちつつ割とすっきりしてるんですよね。
なのでしつこくなくて飲みやすい。前飲んだ時はもっとゴテゴテなイメージだったんですが…
美田 山廃純米 にごり酒 1800ml |
ちなみにこのお酒、期間限定の販売なのでどこも売り切れです。
もう1本くらい買っておけばよかったな…
と、話がズレました。
フォンが取れたら縛った羆のバラ肉を熱したフライパンへ。
周りをしっかり焼き固めて「見るからに美味そう」な状態まで持っていきます。
この時、出た脂は適宜キッチンペーパーで吸い取ってくださいね。
しばらくコロコロ転がしていると…ご覧の通り!
いーい感じに焼き色が付きました。脂もかなり落とせましたね。
ただ、そのままだと大きすぎて鍋に入りませんでした。
なので肉の端っこを切り落としてます(^_^;)
ま、こういうのはよくあることです。気にしないで行きましょう!
コンビニやスーパーでワンコインで買える赤ワインを準備して…
ドライトマトをみじん切りにしておきます。
もし無かったらトマトピューレでもOK。
量はてきとーでも全然大丈夫です。
これをフライパンでサラダ油と一緒に軽く炒め、
先ほど端っこを切ったヒグマの肉を入れて絡め合わせます。
そして赤ワインを鍋にドボドボドボ…
ワインが沸騰してきたら…
マッチかライターで火をつけます。
アルコールが飛びきったら火が消えるまで、熱いけど頑張りましょう。
火が消えたらコトコト煮込んでいきます。
かさが減ってきたら先ほどアバラ骨でとったフォン(ダシ汁)を追加。
フォンを取るときに使った野菜も一緒に鍋に入れます。
この時にフォンドヴォー(子牛のダシ汁)を足すと更にコクが出ます。
が、無くても十分美味しく出来るのでご安心を。
ちなみに鈴木はこの時蜂蜜を入れます。
味にキレを出したい時は無理に入れなくてもいいんですが、
やっぱりクマといったら蜂蜜でしょう!ということで(笑)。
この蜂蜜はもらいものですが、タイで売っていたそうです。
実に香りが良くて美味しいんですよ。
煮込むこと2~3時間。
沢山煮込むと肉から味が抜けすぎてしまうので、適度に煮込むのがコツです。
それでも味は結構抜けているので、両面にがっつり塩胡椒しておきます。
全部はいっぺんに食べきれないので…
こんな風に真空パックしておくといいですよ。
煮込んだ汁はそのままソースに使うので、
食べる分だけ小鍋に移しておいて、
残りはジップロックなどにでも入れておきましょう。
このロール状のバラ肉をソースの張った小鍋に入れて暖め、
ある程度温まったら取り出してお皿に置きます。
ソースはそのままガンガン火を入れて煮詰め、
好みの濃度になったら火を止めてバターを入れてとろみをつけます。
後は塩胡椒で調味すればソースの完成。
お肉の上にソースを流し、がりっとひいた黒胡椒を振れば…
できました!
「ヒグマのバラ肉の赤ワイン煮込み」
完成です!!
付け合わせはバターソテーしたマッシュルーム、
自家製のパンチェッタ(ベーコンじゃないです^^;)、
そしてかぼちゃのピューレです。
ヒグマの脂身は甘みがありますが、
エゾシカのようにもたれないのが嬉しいですね。
肉もいい感じに歯応えが残っていて、食べ応えがあります。
こ・れ・は・ワインでしょー!!!
ということで…
頂き物のとっても高級な赤ワインをオープン!!!
香りが素晴らしい!まるで胡椒のようなスパイシーさがあって、
パワフルなヒグマの煮込みにも全然負けていませんね。
これは貴重なワインを頂きました。
買い貯めしといた方がいいかな…
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