こんにちは、鈴木です。
今回ご紹介するのは網走から知床斜里までを繋ぐ観光列車、
[DVD] 流氷ノロッコ号 |
です!
網走駅からオホーツク海沿岸を通り、
世界遺産知床に最も近い「知床斜里駅」まで、
のんびりゆっくり走ってくれる観光列車ですね。
ノロッコ号の車両にはダルマストーブ(石炭ストーブ)が配置されており、
そのストーブの上でスルメを炙ったり、車内販売の日本酒を楽しめます。
なんとも旅情溢れる、クラシカルな旅が楽しめますよ。
今回我々はこのノロッコ号に往復で乗車しましたので、
前後編に分けてご紹介していきます。
ちなみに我々、行きの列車はオホーツク海を向いたベンチ席を取りました。
ノロッコ号はかなり人気が高いので、今回のような景色を楽しみたい場合は
必ず指定席で予約するようにしてくださいね。
網走駅前です。
この写真では見えませんが、網走駅の入口には「縦書き」の看板があります。
それには…
(写真はクリックで拡大します)
網走刑務所の受刑者が
「横道にそれることなく、
真っ直ぐな道を歩んで生きていってほしい」
という思いが込められているそうです。
旧国鉄時代、網走刑務所を出所した受刑者達はみな、
この網走駅から列車に乗って故郷に帰っていったそうですが、
そういった方々への願いが看板に込められているんですね。
こんなコネタを知っておくだけでも、
旅がちょっと楽しくなるんじゃないかなと思います。
網走駅の構内です。
中はそれほど広くありませんが、
駅と直結しているお食事処がありまして、
そこでウニ丼やらイクラ丼やらも食べられます。
鈴木達は帰りの便で食べるための駅弁を購入。
どんな駅弁を買ったかは後編のお楽しみということで(笑)。
発車まで時間があったのでのんびり待っていましたが、
あっという間に天候が激変しご覧の通り(^_^;)。
まぁ、このくらい天気悪い方が荒涼としたオホーツクらしいです(笑)。
流氷ノロッコ号の運行ルートはこんな感じ。
網走駅を出発し知床斜里駅まで各駅に停車します。
この8つの駅のうち、オホーツク海に最も近いのが「北浜」駅。
映画「網走番外地」やドラマ「みにくいアヒルの子」のロケにも使われました。
[DVD] 網走番外地 |
単純に娯楽作品として楽しい映画なので、ぜひ。
こちらが流氷ノロッコ号です。
5両編成のうち4両が指定席になっています。
ご覧の通り、エンブレムが風雪で見えなくなりそうです(^_^;)
ホームも吹き込んできた雪で真っ白(笑)。
本当は写真撮ってる余裕無いくらい寒いんですが、気合でパチリ。
オホーツク海沿岸を走る車両らしく、
入口には漁業用のブイが展示されていました。
指定席はこんな風にベンチ席(左)とボックス席(右)に分かれています。
我々は行きにベンチ席、帰りにボックス席を指定しました。
各車両に設置されているダルマストーブ。
懐かしいですね~。
鈴木が小学生の頃は教室にこのタイプのストーブが設置されていました。
ストーブに近いと半袖でも暑いくらいなんですが、
離れている席だとジャンパーを着ていても寒くて寒くて…
3号車には売店が設置されています。
カップ酒やスルメ、でんぷん団子など旅情溢れる品揃え。
当然まずはカップ酒を購入。
釧路の「福司酒造」が造っている「ツカサ・カップ」です。
ちなみにこのお酒は糖類添加の普通酒ですので、
鈴木のように
「車内売店で買うことに意義がある!」
「ノロッコ号に乗るなら道東の地酒を飲まねば!」
といった無意味なこだわりが無ければ(笑)、
網走駅の中にある売店で「金滴」の純米酒を買うのがお勧めです。
「金滴」は新十津川の日本酒なので道東の地酒ではありませんが、
味の面でいえば遥かに「金滴」の方が上ですので。
もちろんスルメもゲット。
これをダルマストーブで炙って熱燗を一杯やるわけですよ。
ちなみに天候がいいと遠くに知床連山を望むこともできます。
先ほど紹介した「オホーツク海に最も近い駅」である「北浜駅」では、
展望台からこんな景色を楽しむことも出来るんですよ。
なんて話をしながらスルメとカップ酒をセッティング(笑)。
いいですねぇ~。旅してる感溢れてますよ。
列車が動き出すと、すぐに見えてくるのはグレーのオホーツク海。
晴天もいいですが、荒涼とした天気だと未開拓な北国の雰囲気が楽しめてまた良し。
ちなみに北海道の開拓が大きく進んだのは明治の初めなんですが、
その道のりは困難を極めました。
冬の厳しさは勿論、ヒグマなどの野生動物による被害も多かったため、
一般の業者を使って開拓するには費用がかかりすぎたんですね。
そこで当時の明治政府が「囚人を使っての開拓」を計画します。
月形町に樺戸集治監(ゴールデンカムイでも名前だけ登場します)
が作られたのをきっかけに、空知や釧路に大規模な監獄が作られました。
送り込まれた囚人達の強制労働により、
未開の地だった北海道も徐々に開拓が進んでいきます。
その中でもあまりに気候が激しく、開拓に取り残されていたオホーツク海沿岸ですが、
これも網走刑務所(当時は「網走囚徒外役所」と呼ばれていたそうです)が完成し、
1200名(!)もの囚人が送り込まれたことで徐々に開拓が進みました。
(詳しくは博物館網走監獄のホームページをご覧下さい)
強制労働に従事した囚人は2人ずつ鉄の鎖で繋がれ、
昼夜兼行で重労働に課せられたそうです。
しかし栄養状態は非常に劣悪で、
怪我や病気で亡くなった囚人はそのまま現場に埋葬されました。
この亡くなった囚人達を慰霊する「鎖塚」は鈴木の住む北見市にも建てられています。
今でこそ観光列車が走るほど開発されたこの地方ですが、
その陰に大勢の囚人達の血と涙があったことを忘れてはいけないと思います。
さて、こちらはそんな開拓当時の趣を残す北海道の郷土食、
「でんぷん団子」
です。
その名の通り、じゃがいものでんぷんと砂糖、
少量の塩と金時豆の煮物を団子状に加工したものです。
このようにアルミホイルで包んでストーブの上で焼きます。
とても素朴な味わいで「めちゃ美味い!」というものではないんですが、
北海道開拓の歴史に思いを馳せながら食べるというのも一興かと思います。
ごくごくシンプルな素材で作られているため子供でも安心。
ノロッコ号の指定席にはだるまストーブが一基設置されているだけなので、
このでんぷん団子を少しずつ食べながら暖まるのもなかなか乙なものです。
ノロッコ号の乗車時間は約1時間ほどなので、
お酒を飲みながらダベっているとあっという間に終点「知床斜里駅」に到着。
我々は少しの間この駅で時間をつぶして、
戻りの列車で駅弁を頂く計画です(笑)。
それでは後編をお楽しみに!
ちなみに網走に泊まるのであれば、
アイヌ文化を学ぶこともできる
「北天の丘 鶴雅リゾート」
がお勧めです。
コンセプトがとてもしっかりしたリゾートホテルで、
温泉はもちろん食事もなかなかいいですよ。
冬に網走を観光するのはかなりコアな北海道リピーターだと思いますので、
こういった文化を学べる設備があるリゾートをお勧めしたいですね。
ご興味のある方はぜひ宿泊してみてください。
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