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最近ハマっている仮想通貨の話をしつつ、趣味の狩猟や旅行、料理の話なんかを書き散らかすブログです。

「ゴールデンカムイ 7巻」考察。エディ(エドウィン)・ダン、そして北海道開拓史。

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ゴールデンカムイの7巻が発売になりましたね~。
相変わらず濃いキャラクター達が跳梁跋扈してますが、
せっかくなのでちょっと違う視点からこの7巻を見てみましょう。

この7巻には「エディー・ダン」というアメリカ人のキャラクターが登場しますが、
大抵の方は…


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このアイヌ嫁入り衣装を着て踊る素っ頓狂なシーンに目がいってしまって(笑)、

彼がなぜ25年も日本に住んでいるのか

そしてなぜ北海道で牧場を経営しているのか

というところに注目された方は少ないのではないかと思います。


実は彼(エディー・ダン)にはモデルとなった人物がおりまして、
それが「お雇い外国人」、

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エドウィン・ダン

です。


彼は農業・牧畜・そして未開の地を開拓するスペシャリストとして、
アメリカオハイオ州から25歳の時に来日しました。

当時、日本は西洋化に向けて様々な技術やノウハウを吸収するため、
沢山の「お雇い外国人」を雇い入れており、ダンもそのうちの一人だったわけです。

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大変高い能力を持った人物だったらしく、
北海道の郷土資料を漁ると「北海道における近代酪農の祖」として、
エドウィン・ダンの名前がいたるところで登場します。

アメリカ式の牛・豚・馬の育て方はもちろん、
バターやチーズなど乳製品の作り方、ベーコン・ハム、
ソーセージといった畜産加工品の作り方も技術指導。

また史実の彼は大変な日本びいきで、
日本人女性と結婚し、日本で一生を終えています。

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ただ、「ゴールデンカムイ」に登場する「エディー・ダン」は
日露戦争終結後も北海道で農場を経営していますが、
史実のダンはこの頃既に新潟で石油事業を興しています。

なので「エディー・ダン」は、「エドウィン・ダン」が北海道に残っていたら…
という「IF」のストーリーを体現するキャラクターでもあるわけです。


ちなみに史実のダンとアイヌの間にもちょっとした関わりがありまして…

他のお雇い外国人は日本国内を移動する際、
大名行列のようにコックや給仕、世話役を連れていたんですが、
ダンはアイヌの青年を一人だけ連れて道内を旅行していたそうです。

こういった知識があると彼の部屋に、

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なぜアイヌの小刀や弓が飾られているのかピンとくるわけです。
ちょっとしたことなんですが、野田サトル先生の綿密な取材が
漫画の画面内や設定に活かされていると気付く瞬間です。



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またこのページではダンが毒餌でオオカミを駆除したことを回想していますが、
実はこれも史実でして、彼はエゾオオカミ絶滅の遠因となった人物でもあります。

北海道では明治12年(1879年)の大雪でエゾシカが大量死しており、
(個体数回復まで100年近くかかっているので、どれほどのものか想像がつくかと)
その影響で餌を失ったエゾオオカミが沢山里に下りてきていました。

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実はこの時期、運が悪いことにちょうどダンが
北海道に牧場を開いて技術指導をしていたタイミングだったんですね。

新冠の牧場では90頭の牡馬と仔馬を放牧していた区画があったそうですが、
僅か一週間で仔馬が全滅してしまうほど酷い被害だったとか。

日本政府の依頼で技術指導を行っているダンとしては、
これはなんとかせねばならぬという思いがあったのでしょう。
横浜に手配してストリキニーネ(毒物です)を大量に取り寄せ、
殺された馬の死骸に切れ目を入れて流し込みました。

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その効果はてきめんに現れ、オオカミの駆除は成功。

ゴールデンカムイ4巻の第29話にもある通り、
1896年に函館で「毛皮を数枚扱った」という記録を最後に、
エゾオオカミは北海道から姿を消しています。

これが善か悪かという判断は、
北海道に生まれ育った人間である鈴木にはできません。
ダンが開拓方法を指導していなければ、
そもそも自分が生まれていたかすらわからないわけですからね。


アシリパさんはダンの

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「自然をねじ伏せていきねば
 我々開拓民に明日はないのだ」


というセリフに
(日本人ではなくアメリカ人のダンに言わせているところも面白いと思います)

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「………フン!」

という態度をとっていますが、
これは北海道の厳しい自然と寄り添って生きてきた
アイヌの民だから言えること。

開拓された北海道に生まれ育った我々が、
オオカミ絶滅の遠因を作ったダンを否定できるかというと、
それはやっぱり「否」なんですよね。




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この巻では主人公達の邪魔をする悪役に近い立場の

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「エディー・ダン」

ですが、
モデルとなった人物のバックストーリーを知っていると
また読み方が変わってくると思います。



さて、最後にもう一つだけ。
この巻では冒頭に競馬を絡めたストーリーが展開しますが、
実は「エドウィン・ダン」には「酪農の父」という側面だけでなく

「日本競馬を作った男」

という側面もあるんですよ。

現在中央競馬で活躍する競争馬の大半は北海道で生まれていますが、
北海道が競走馬の名産地となる礎を築いたのも実は

「エドウィン・ダン」

なんです。

彼は開拓当時、アメリカやヨーロッパから優秀な競走馬の
種牡馬を沢山取り寄せ、極東の地北海道で育てています。
(優秀な軍馬の育成といった側面もあったようですね)

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またこの時彼は「ダブリン号」という非常に優秀なサラブレッドを、
5,000円(現在の貨幣価値で約3,700万円)もの大金を投じて輸入しました。

実はこのダブリン号こそ日本の競馬界の祖となった一頭でして、
「ゴールデンカムイ 7巻」の苫小牧競馬場で走っている馬達も、
「ダブリン号」の血を引いている可能性が大いにあるんですね。

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つまり、この巻冒頭の競馬のシーンの時点で既に、
エドウィン・ダンの実績がストーリーのベースになっているわけです。
彼のことを知っていて、かつ勘のいい方なら、この後エドウィン・ダンを
基にしたキャラクターが登場することを予想できたかもしれませんね。

逆にこういった予備知識がないと、

「なんで急に競馬?」

「なんで急にアメリカ人?」


と不思議に感じてしまうかもしれません。



例えば今巻のアマゾンレビューは大半が5つ星と好評価ですが、


方向性が全く違う二つの緊張感が一つの話しに混在していたので
読むにあたって、少しばかり集中を欠いてしまったという感じでした
 

と、このように感じた方もいらっしゃいました。
これはまぁ…無理ないことかと思います(^_^;)。
自分も連載当時「いきなり競馬!?」と思いましたもん。

ここからはただの想像ですが、
今巻は野田サトル先生の中でエドウィン・ダンの物語がベースとして存在し、
(ダンについて取材しているのは間違いないでしょう)
この物語にゴールデンカムイのストーリー本筋を絡める形で
生まれていったものではないかなと思います。

ダンのことを知っている人は今巻のストーリー前半と後半のつながりに
それほど違和感を覚えないかもしれませんが、そうでない方は、
話の方向性が変わることに面食らう可能性はありますね。

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ま、それを差し引いても「ゴールデンカムイ」のスピーディな展開は魅力的ですし、
キャラクター造形も素晴らしいものがあると思います。

鈴木が思うに、この漫画がすごいのは、

「縦軸としてのストーリー」



「横軸としてのキャラクター描写」

が両方優れているだけでなく、
これにプラスアルファして

「綿密な取材を基にしたリアリティ」

が根底にある点ではないかと思います。

鈴木は北海道に住んでいるのでアイヌ文化に触れる機会も多いですし、
当ブログの他記事をご覧頂いた方にはお分かりの通り、
狩猟や食べることにもかなり深くのめりこむ方だと思います。

そういったある意味マニアックな生き方をしている人間から見ても、
「ゴールデンカムイ」で描かれている世界というのはリアリティがあるんですよね。

変態的な囚人やキレのいいギャグ、美味しそうな食事のシーンなど、
この漫画にはパッと見で通じる魅力も沢山あります。

が!
それだけで終わらない「底の知れない魅力」が無いと、
やはりここまで人気にはならないと思うんですよ。
明るいだけのお話じゃ浅い人気で終わってしまいますから。

その底知れない魅力の正体は、
この漫画から感じる圧倒的なリアリティなんじゃないかなと、
鈴木は思いましたね。 



というわけで、

ゴールデンカムイ(7) [ 野田サトル ]
価格:555円(税込、送料無料)




ゴールデンカムイ7巻と…


1~7巻までのセットはこちら。



アマゾンにはセット販売で7巻まで入っているものがありませんでした。
1~6巻までのセットはこちらですので、7巻と併せてどうぞ。



ついでにエドウィン・ダンに関する関連書籍をご紹介します。
北海道の酪農の祖、日本競馬の祖として大変有名な方なので、
色々な書籍が発売されていますが、鈴木は…




「エドウィン・ダンの妻ツルとその時代」

をまずお勧めします。

結構クセのある本(ノンフィクションなのに著者の主観に基づく記述が多くて…)
なんですが、ダンの前半生をわかりやすく読むにはお勧めかなと。

題名の通り最初の奥様であるツル夫人との話がメインになっていて、
ダンが石油事業を興した後の話などは殆ど載っていません。
ダンの親日家ぶりや開拓当時のエピソードなど、なかなかの読み応えですよ。


ちなみに、より詳しくダンのことを知りたい方は、



「エドウィン・ダンの生涯」


という本の方が良いかもしれません。


ダンが日本競馬の誕生に携わった経緯を詳しく知るなら、




「日本競馬を創った男 エドウィン・ダンの生涯」

がお勧め。

ダンについてはインターネット上でも様々な情報が溢れていますし、
北海道へ旅行される方は札幌にある
「エドウィン・ダン記念館」に足を運んでみるのもいいでしょう。

「ゴールデンカムイ」の物語が始まる前、明治期の北海道が
どのように開拓されていったのかを詳しく知ることができると思います。



この記事を読んで「北海道に行ってみたい!」と思われた方は



こちらのリンクよりどうぞ。
航空券と宿泊先を一度に予約できるようになっています。

ちなみにエドウィン・ダン記念館は札幌市南区真駒内にありますが、
真駒内駅から約700mほどなのでわりと行きやすいです。
(あえて南区のホテルを取る必要はありません)

鈴木もまた小樽のアパートを直しに行く予定なので、
時間があれば寄りたいな~と思ってます(笑)。










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キノコやタヌキを採って(獲って)食べてます。アパート買って直したり仮想通貨投資もしてます(原資は狩猟でゲット)。また2019年北海道北見市にフランス料理の惣菜店兼レストランを開業予定。 狩猟採集でゲットした獲物も提供していきますよ〜!
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