先日の『今代司 純米吟醸 熟成生原酒』レビューの続きです。
とはいえ、酒蔵を見学させてもらったのでそのご紹介といった趣ですが。
自分が泊まったのは以前の記事で紹介した
『スーパーホテル新潟』
さん。
新潟出張の際に泊まったんですが、
ここからだと「今代司酒造」さんへは徒歩で楽々行けちゃいます。
(驚くなかれ、僅か800mしか離れていません(笑))
さて、その道のりは…
こんな穏やかな道をてくてく歩いていく感じになります。
新潟、凄く良かったですよ~。
この時は6月で梅雨真っ盛りだったんですが、
気持ちよく晴れてくれました。日ごろの行いでしょうか(笑)。
見えてきました。右奥に見えるのが…
『今代司酒造』の入口です。
昔ながらの趣は残しつつ、とても綺麗に手入れされている建物でしたね。
ちなみに売店は予約不要ですが、
酒蔵見学は要予約になります。
我々は当日電話して確認を取りましたが、平日で空いていたからかOKでした。
新潟駅からもアクセスしやすいので、週末だと当日電話では厳しいかと思います。
中に入ると左手には「下茶の間」。
さすがに現在は住居としては使用されていないようですが、
こういった部屋は当時のままの状態で残されているようです。
売店の方は日本酒好きな女性達が試飲を楽しんでいました(笑)。
売店もかなり雰囲気が良くて、観光ポイントとしてもかなり楽しめると思います。
蔵の方に案内されるといきなり大きな樽と謎の機械(?)がお出迎え。
説明を受けたはずなんですが、忘れてしまいました(笑)。鳥頭ですみません。
松尾様(お酒の神様)への注連縄です。
建物はどこも非常に綺麗に掃除されていて、静謐で日本的な美しさがありました。
酒造りの工程を紹介してくれるパネル。
昔から使われている(でも現役な)機械や樽が沢山ある中、
急にモダンな説明パネルが出てきてもあまり違和感がありません。
実に見せ方が上手だと思います。
昭和12年当時の利き猪口。
英語では「Sake Tasting Cup」というそうです。
外国の方も沢山訪れるのでしょう。
これは「だきだる(暖気樽)」ですね。樽の中にお湯を入れて、
お酒の元となる酒母をかき混ぜ、発酵を促すための道具です。
「ゆたんぽ」とも呼ぶそうですが、これは初めて知りました。
このパネルには
「瓶詰めでなく樽詰めで酒を出荷していた頃」
「お酒屋さんは仕入れた酒に水を加え、量を増やして売っていました」
「ところが酒蔵の方も出荷する前に水を加えるなどしており」
「金魚が泳げるほど薄い酒であることを揶揄して『金魚酒』などと呼びました」
といったちょっと興味深い話が載っていました。
ただ、当時から『今代司酒造』では薄めないお酒を酒屋さんに出荷していたので、
酒屋さんからは大喜びされていたそうです(笑)。それで新潟に知らぬものなし、
と言われるほど代表的な銘柄だったんだとか。
これは『今代司』の昔の酒瓶です。斗瓶もありますね。
きちんと全ての説明を読んでいったら結構な時間がかかると思いますよ。
これは発売から30年も経つという『今代司の「しろい酒」』だそうです。
いわゆる「白酒」というやつでしょうか?ちょっと気になりますね。
「とろりとして甘く、ピチピチの生にごり酒」
とのこと。ほほー。美味しそうです。
昔懐かしいお燗酒の自販機も!
いや~、これはちょっと欲しいですね(笑)。
1杯50円という値段に時代を感じます。
昭和40年代、新潟の立ち飲み屋さんにはこれが並んでいたそうです。
変に格好つけて飲むより鈴木はこういう方が好きですね。
こういうのでたらふく飲んで、へべれけになって
ふらっふらしながら帰りたいです(笑)。
この写真を見て、最初の方に出てきた謎の機械が何だったか思い出しましたよ。
確かこれ、お酒を暖めて殺菌(火入れ)するための機械だったかと思います。
瓶での火入れではなくて、このような形で火入れしていた蔵もあったんですね。
今は使われていないようですが、勉強になりました。
見学をおおよそ終えて、こちらは売店です。
新潟の物産が販売されていますが、結構こだわったラインナップでした。
創業当時の写真や情報なども色々読むことができてなかなか楽しいです。
本当に情報が充実した酒蔵さんでしたね。
というわけでお楽しみの試飲タイム(笑)。
また小洒落たモダンな感じでレイアウトされてるんですよ。
特に淡麗辛口派ではない鈴木ですが、
さすが日本酒王国新潟と言わざるを得ません。
やはりどんな仕事でも「魅せ方」というのは大事だと思います。
綺麗に見せる、魅力的に見せるというのは、
そうすることそのものにパワーがいりますしね。
「よいものを作る」というのは既に皆さんやっていますから、
「よりよく見せる」というのはそれを一段超えた熱意の表れだと思うんですよ。
これは先日のブログでも紹介した、
今代司酒造「今代司」熟成純米吟醸生原酒720ml |
『今代司 純米吟醸 熟成生原酒』
です。
先日の記事でも書きましたが、
生酒らしいフレッシュさと原酒ならではのしっかりした味わい、
しかしそれが割りとスパッとキレる飲み口の良い原酒です。
これは美味しいですよ。飲み飽きしない良いお酒だと思います。
最近増えてきたスパークリングの日本酒もラインナップ。
『今代司 福酒 スパークリング 純米生酒』
これもいいお酒でしたが、既にかなり量が少なくなっていたんですよね。
開けたての爽やかさが少し薄れて甘さが目立っていたのはちょっと残念。
タダで試飲させてもらえるのに何を言うかといった感じですが(^_^;)。
『今代司 特別純米酒』
オーソドックスな純米酒。
使用している酒米は五百万石とのこと。
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鈴木は五百万石のお酒が好きなのでこれはフィットしました。
五百万石のお酒って「なんということもない」というか、
山田錦と違って華やかなタイプじゃないと思うんですが、
それが逆に普段飲みのお酒としては素直にスルスルといけるんですよ。
かといって味が無いわけじゃない(というかむしろ独特な風味がある)ので、
純米酒だと本当に飲み飽きしない感じがして良いんですよね。
試飲してちょっと買いたくなっちゃいましたが、
旅先で買う特別な酒といわれるとちょっと違う気がしたので、
この時は『今代司 純米吟醸 熟成生原酒』の方を買っちゃいました(笑)。
『今代司 純米吟醸酒』
すっきりしていて透明。まさに新潟のお酒。
純米酒と同じ五百万石を使っているんですが、こちらの方が明らかにクリアー。
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強烈な個性があるかと言われるとそうではないんですが、
その地の食べ物とぴったりフィットしてくれる、食中酒として美味しいお酒ですね。
上では透明、クリアと書きましたが、
以前書いた「郷の誉」とは全く方向性が違うんですよね。
新潟のお酒ってクリアではあるんですけど、米の旨みは結構強い気がします。
なのにきちんとキレるから面白い。鈴木は「緑川」も10年近く飲んでいましたが、
このお酒もクリアなんだけど旨みはしっかりあって、新潟らしいですよね。
『今代司 純米大吟醸』
純米吟醸をそのまま透き通らせたかのような感じ。
文句なくいいお酒です。こちらも酒米は五百万石。
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今は瓶の色が変わったらしく、
上の黒っぽい瓶ではなく透明なタイプになっているようですね。
黒いのも高級感があっていいと思いますが、透明なものの方が
こちらのお酒には印象が近いかなという気もします。
山田錦(系統)の酒米を使った日本酒が最近全盛ですが、
新潟らしく五百万石100%の純米大吟というのも嬉しいです。
今回試飲した中で最も面白く感じたのがこちら。
『今代司 木桶仕込み 純米大吟醸』
です。
現在販売されている日本酒って、
ほぼ全てホーローなど匂いの移らないタンクで醸されているんですが、
これはあえて昔の製法に習い「杉の木桶」で醸した純米大吟醸です。
昭和20年代まではごく当たり前だったようですが、
今ではまず見られない造り方だと思います(自分が知る限りはここだけ)。
まず樽酒のような杉の匂いと吟醸香のハーモニーがなんとも不思議な感じ。
後から杉の香りを移した樽酒とはちょっと違って、
木桶の香りと吟醸香が融合しているような、経験したことの無い香りです。
またそれだけでなく旨みが通常の純米大吟醸よりのっている印象。
実に印象深いお酒でした。食事とあわせるとどうなるのか、
という興味も相まって、また飲んでみたいと思いましたね。
他にも色々と試飲させてもらいましたが、
どれもこだわりを感じる美味しいお酒でした。
新潟らしい、でも単に淡麗辛口なだけじゃない奥深さ。
直接蔵元に足を運んでみなければわからないことが色々ありますね。
実に楽しかったです。
う~ん、ちょっと前の写真なんですが、
見返しながら記事を書いていると懐かしくなってきます(笑)。
この写真を見て、
「こんな道を通って新潟駅まで戻ったな~」
なんて思い出しちゃいましたね(笑)。
今度は仕事の出張ではなく、家族旅行で行ってみたいものです。
そしてたらふくお酒をば…
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